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ポタジェはパサールの桃源郷。土の匂いをかぎ、風のそよぎを感じ、小鳥の鳴き声に耳を傾け、大自然の営みか ら、様々なインスピレーションを体中に受ける。現実の世界から隔離されたような、一種不思議な美しさと空気 が、このポタジェに息づいている。
アラン・パサールの桃源郷
パリから南西に向かって200キロ。ロワール地方の フィレ・シュール・サルトに、2002年に作った最初 のポタジェ、「シャトー・ドゥ・グロ・シェスネー」があ る。太陽の恵みをふんだんに享受する南向きの4ヘク タールの土地は、微妙に異なる土壌の質にあわせて、 それぞれの場所に適した種が育てられている。常勤の 栽培家が2〜3名いるが、「ここで野菜を育てているの は我々でなく自然。我々は自然にかしずくだけ」と言 う。耕作地には馬が入り、土を柔らかく耕す。柔らかく 耕された土は、ミミズがさらにきめ細かい土壌に整え る。そんな大地から種が芽吹き、春になれば10種を超 えるアスパラガスが顔を出し、夏になれば、むせ返る ような強いにおいを放つトマトやイチゴが鮮やかに実 る。理想的な状態で育つ野菜や果物は、それぞれが誕 生したときから備えている、野蛮ですらある、野趣溢れ たたくましい味が詰まっていて、それを口にする我々 を驚愕させる。
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