
VERIB【前編】————脱・自動車社会への都市実験
Photo&Text.Shun Kambe
パリの21世紀型レンタルサイクル制度
21世紀に入り、欧州では交通体系の改善を柱とした
エコロジー政策が大きな動きを見せている。ロンド
ン市が制定した乗用車の市中心部への入境税に始ま
り、パリでは、貸し自転車システムVERIB(ヴェリブ)が
2008年7月から始まった。2001年の就任以来「Paris
Respire !〜パリ深呼吸!」のスローガンのもと、ドラ
ノエ・パリ市長が押し進めてきたエコロジー政策の
目玉である。これまでもパリには、メトロや市バスを
運営するRATP(パリ市交通局)による貸し自転車シス
テムが存在した。しかしあくまでそれは観光を目的
としたサービスであり、日中に限った営業で事務所
も市内に2カ所のみという、都市交通体系の改革には
程遠い内容であった。

パリ市交通局による貸し自転車システム